第5話 離れてゆく心

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 数秒間、沈黙が流れた。ふたりとも何も喋らなかった。  麻里子は、両手を膝のうえでキュッと握りしめていた。  紺色の厚手のプリーツスカートがシワになる。  赤いエナメルのマニキュアが塗られた爪は、艶やがあった。
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