第1章

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 お爺さんは何時も一人で山に入っていました。誰にも見付からずに暗いうちからです。  お爺さんはこのケシの存在を誰にも語りませんでした。この野草から取れる汁は、用法容量を守り、正しく使わなければならなかったからです。  お爺さんは若い頃に山で道に迷ってしまいました。何日も迷い続け、そして崖から落ちて大怪我をしてしまったのです。  その時に助けて貰った初めて見る村人から、この野草の事を教えて貰いました。お爺さんはこの村人から、この村での出来事は内緒にする様にと固く約束をさせられていたのでした。
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