――櫻井 彩夏

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「禿げ魔流ドン!」 カッ!!!! 八雲様が『はげまるどん』と叫んだ瞬間、淡い輝きは強力な閃光に変わり、私達を貫いた。 ド―――――――ン! 衝撃が身体を走る。 同時に感情が奪われる。 ……八雲様…………愛しています…………。 ……私の中には、もう、八雲様しか居ない。過去の全てを忘れ、未来には八雲様だけ居れば良い。 心地よい甘い痺れに、私がぼんやりとしていると、ツイ、と顎を掴まれた。 「……八雲、様……」 八雲様の柔らかい唇と、私の唇が重なる。『ム』の形をした髭が、こそばゆい。 「あひゃひゃ。今度はバッチリ効いたわね。禿げ魔流ドン」 はげ、まる……どん…… 「教えてあげるわね、新入りちゃん。 禿げ魔流ドンを浴びた女子ちゃんはねぇ、その術に掛かって…… 私に惚れちゃうのっ!あーっひゃっひゃっひゃ!」 八雲様の腕が、私の腰に添えられた 「因みに。もう、お分かりかとは思うけど。禿げんダッツの当たりには禿げ魔流ドンが仕込まれているのよん。あーっひゃっひゃっひゃ!」 ベッドが、ギシリと軋んだ。 「新入りちゃん。特別に教えてあげるわ。私の夢はねぇ。でっかい愛部屋を作って、この禿げ魔流ドンの魅力で1000人収容する事なの!あーっひゃっひゃっひゃ!素敵だにょ!!」 ギシリ 「そしてね。1000人収容したら、世界中に愛部屋をちゅくりゅの!全世界の女性を私の物にしゅるの!禿げんダッツって言う、不思議で、最強の道具を使ってね!あーっひゃっひゃっひゃ!」 禿げん……ダッツ…………不思議で、最恐の……道具…… 私は、八雲様の高笑いを聞きながら そっと目を閉じた。
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