どうしましょう?

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なんだ?これ。 人物、風景には見覚えがあるが、さっきの光景はまったく知らない。 再び、恐る恐る鍵を握り締めるも、先程のような揺れは一切感じない。 疲れか?疲れなのか? それとも、フラッシュバック?――否、あの光景は身に覚えがなかったじゃないか。 だとすると、一体先程のはなんだったのか。 考えることが怖い。 この鍵の見た目は不思議な鍵だが、滅茶苦茶怖い。 一刻も早く交番に駆け込みたい。 しかし、そんな気持ちとは裏腹にあの光景が気になって仕方がない。 ここ最近怒られてばかりおり、これ以上は我慢の限界が近いのを自分自身でも感じていたし、無理なものは無理、ときっぱり上司に主張出来ればいいのだが、それも難しい。 あの光景が私に対してなんらかの意味を孕んでいるのなら、鍵を恐ろしいと思いながらも、その先の光景を知りたいという知的好奇心に駆られるのも事実であった。 果たして、どうするべきか。 良心の呵責に苛まれ、私は立ち尽くす。 再び鍵を握り締めた瞬間、また揺れた。 これはホールか? 私は飲食店に現在、就職しており、ホールを担当しているのだ。 私と対面しているのはパートの先輩だ。 ホールリーダーの彼女は私の指導係であり、今日も彼女に叱られたばかりであった。 ここではホールフロアを卓番号を決めて一つのエリアとし、サーバーと呼ばれる担当者がエリアを担当する仕組みになっている。
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