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今日も通り過ぎていくスーツ姿の背中。
平日は、ほぼ同じ時間に彼を見つけられる。
でも、私に出来ることは彼を見つめることだけ。
ただ、それだけ。
声も掛けられない。
それなのに想いだけが膨らんでいく。
流行りの服に身を包み、いつだって笑顔を向ける準備が出来ているのに、彼は急ぎ足で行ってしまう。
たまに私に一瞬目を向けることがある。
それ以上は何もない。
朝は忙しいから仕方ないのかもしれないと自分に言い聞かせる。
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