第3章「依頼」

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「自分の才能を失ってまで他人の心を変えたい」という人間がいるのか疑問を持っていた やはり怪しいのか、初めの二ヶ月は依頼がなかった しかし一人の成功を皮切りに噂が噂をよんでここ半年で10件以上の依頼が舞い込んできた 大半が「好きな異性を振り向かせたい」という依頼だった 中には教師からの依頼もあるのだから驚いた 自慢ではないが、一度も失敗した事がない もと軍人である祖父の遺伝なのか、それともゲームセンターに置いてあるシューティングが得意だったからなのか… 勿論始める前に練習は積んだ いくら暇潰しとはいえ、人の心を扱う依頼だ 慎重にいかなければならない 前人がミスを連発してその身に火の粉がふりかかった と説明書に書いてあった どんなものかは分からないが、そんな失敗はおかしたくないものだ では何故このような危険性を含んだ行為を単なる「暇潰し」で行っているのか
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