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あの時、俺達はあいつのことを救えなかった。
まだガキだった俺達はあいつの気持ちにまで気を回すことが出来なかった。
ちゃんと冷静になれば気づけたはずなのに。
だから、もう二度と誰も傷つけない。
今度は、絶対にひとりで抱え込ませたりしない。
そう思って、皆で一緒にここに住むことを決めたんだ。
「そうだね、ありがとう、響くん…」
将くんは笑って言った。
ちょうどその時、ドン!という大きな音がして、あたりが一瞬明るくなった。
音のした方を見ると、まだ暗くなりきってない紫色の空に花火が咲いていた。
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