0.1-水野忠の生まれ変わった日

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俺がはじめてこのバンドの演奏を聞いたのは、高校生の時のことだった。 もう7年も前の話になるだろうか。   その頃もうトワバナはテレビとかに出ることもあって、曲もテレビで流れてるのを聞いたことくらいはあった。 でもあんまり気にしたことはなかった。 俺の好きな音楽はもっと激しくて、楽しくて、硬派なやつ。 トワバナはアイドルみたいに見た目に気遣って、女にキャーキャー言われてるちゃらちゃらしたバンド。 どうせ楽器とかは裏で別のやつが弾いてんだろって、本で見た知識を知ったかぶって言ったりもした。   そんなつまんねぇバンドより、俺らの方が断然イケてる。   そう思ってたのに、高2の夏、まきにせがまれて初めて彼らのライブに行った。 まきはもともとそういう音楽は好まないはずなのに、突然見に行きたいとかいうものだから、彼氏の俺としては俺の音楽の趣味はわかってくれねぇくせになんでこんなバンドが良いんだよって、腹立たしくもあった。 けど、ライブが始まって、曲が始まって。 初めてまともに彼らの音楽を聞いた俺は、一瞬にして引き込まれた。 圧倒された。 どこがちゃらちゃらしたバンドだ。 …この人達は本物だ。
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