0.1-水野忠の生まれ変わった日

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その日から俺はそれまで以上に音楽に没頭していくようになった。 力をつけるために今までの楽しいだけだったバンドを辞めて、いろんなバンドを回った。 そうしているうち、俺はあこがれの園山健(そのやまけん)と知り合うことになった。 うれしかった。 彼に認められて、本当にうれしかった。 だけど、それでも足りない。 俺は少しでもあの人達に近づきたくて。 でも、俺がどんなに足掻いても、それ以上のスピードであの人達は俺の手の届かないところへ行ってしまう。もっともっと…   そんな時、まきが妊娠した。 高校を卒業した俺はバイトで生計を立てながらミュージシャンとしてやっていくつもりだった。 そんな俺の気持ちを知ってか、まきは泣きながら俺に謝ってきた。 『足ひぱっちゃってごめんなさい。 でも、この子を堕ろしたくないの』 そう泣きながら訴えるまきを見捨てるなんてできなかった。 まきは俺が初めて愛した女だった。 責任は俺がとる。
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