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まきが泣きながら訴えて。
…親父さんも最後には俺達のことを認めてくれた。
俺はまきと子供のために働いた。
この都会で高卒の俺には日雇いの仕事くらいしかなかったけれど、それでもなんとか食っていけた。
親父さんもまきと子供のためだけに使うという約束でお金を支援してくれた。
俺は毎日汗水垂らして働いた。
そして…俺は夢をあきらめた。
夢に未練がなかったわけじゃない。
でも、まきと子供の話をするのは楽しかった。
幸せだと思った。
この幸せのためなら夢だってあきらめきれる。
そう思っていたのに。
娘が生まれてしばらく経った頃のことだった。
やっと生活が落ち着いてきた頃。
俺はある人と再会した。
昔バンドを組んでたやつのひとりが今度デビューするとかで。
報告を受けた俺はなんだか懐かしくなってそいつと飯に行くことになったんだ。
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