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そんな中、俺がまきと娘の3人で暮らす小さな安アパートに、トワバナの河崎将(かわさきしょう)が訪れた。
健さんとは知り合いだったけど、他のトワバナメンバーとは実際に会ったことなどなかった。
だから最初俺のケータイに将さんから電話がかかってきた時もなんのいたずらかと思ったほどだ。
将さんは俺に健さんの死の真相を教えてくれた。
とても悲しい真実だったけど、でもどうしてそれを俺に話してくれたのかと同時に思った。
不思議に思う俺に対して、将さんは言った。
『健は、君に自分の後を継いでほしかったみたいだよ』
そして健さんの死後、将さんのもとに健さんから俺の連絡先と、俺を次のドラムに推薦する手紙が届いたということを教えてくれた。
すごくうれしかった。
健さんに本当の意味で認められたのだと思った。
そして、健さんは俺の気持ちを汲んでくれたのだと思った。
俺が心配せずに、夢を追える場所を健さんが遺してくれた。
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