0.1-水野忠の生まれ変わった日

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彼がシェアハウスに来てから1週間。 覚悟はできていると思ったのに、どうやらそんなことはなかったらしい。 俺はずっと葛藤していた。 このまま俺がなにも言いださなければ、きっと誰もなにも言わないだろう。 …でも、それじゃダメだ。   健さんのおかげで俺は夢を見れた。 叶うはずのない夢が叶った。 一度は諦めたドラマーの夢が、憧れのバンドで叶うなんて思ってもみなかった。 それに、トワバナという国民的バンドに入ったことで、まきの親父さんも本当の意味で俺のことを認めてくれた。 健さんは俺の恩人。 だから今度は、俺が健さんのためにできることをしなければ。   健さんが今望むことはなにか。   そんなの、1つしか思い浮かばなかった。   部屋につくと、優しい笑みを浮かべたまきが迎えてくれた。 娘、ほのかはもう寝てしまったらしい。 まきは俺の気持ちをちゃんと理解してくれていた。 きっと俺の決断を反対したりはしないだろう。
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