0.1-水野忠の生まれ変わった日

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あの人と比べられるのはつらかった。 俺じゃあの人の代わりになんてなれるはずがなかったのだから。   それでも、すごく楽しかった。 失くすのが惜しいほど、あの場所はとても輝いていて。 あの人達と過ごす日々は何物にも代えがたいほど楽しかった……   これで、もう終わりだ。   まきの腕の中。 ひとしきり泣いた俺は、ケータイを手に取った。   数コールののち、その人は電話に出た。 「…あ。もしもし社長?俺です、忠(ただし)です。夜遅くにすみません。 話したいことがあるんですけど………」   涙のせいで詰まってしまった鼻をすんとすすって。   …明日は、髪でも切りに行こうかな。
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