1人が本棚に入れています
本棚に追加
/45ページ
そんなことがあったからかもしれないけど、僕はバンドってものに憧れを持つようになっていた。
バンドのメンバーって、なんだか友達以上の絆を持ってそうだし。
そういうのって、すっごい青春!って感じがして憧れる!!
でも、憧れるっては言っても、楽器をやろうとか、友達とバンドを組もうなんてことは思わなかった。
思いつきもしなかった。
僕はひとりっ子だったから、ずっと小さい頃から父さんの後を継ぐことが当然だと思っていたのだ。
それ以外の将来を考えたこともなかった。
そんな僕の考えを変えてくれたのが、望(のぞむ)だった。
望と会ったのは中学の時のことだった。
父さんは僕に私立の有名中学に行ってほしかったみたいだけど、僕は受験で失敗した。
小学校の時もだめだったし、たぶん僕にはああいうことは向いてなかったんだと思う。
最初のコメントを投稿しよう!