0.2-河崎将と彼の出会い

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僕は小学校、中学校共に普通の公立に通った。 中学に入ったばかりの頃は失敗を引きずり落ち込むこともあったけど、今は良かったと思う。 だって、そうじゃなきゃ望と会えなかった。 望は見るからに悪ガキって感じの子だった。 中学生の頃から髪を染めてたし、校則を破った服装を堂々としていた。 授業中もよく寝てたし、時にはサボって教室にすらいないこともあった。 たぶん望は僕みたいな地味な生徒のことなんて気にもかけてなかっただろうけど、思春期独特の感覚なのかな、そういう“悪い”感じのことを堂々とやってのける望の姿をかっこいいと思ってたんだ。 とは言っても、望と言葉を交わすことなんて、クラスメイトとして事務的な言葉を交わすくらいで、ちゃんとしゃべったことなんてなかった。 僕達はひどく正反対のところにいたように思う。
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