0.2-河崎将と彼の出会い

9/13

1人が本棚に入れています
本棚に追加
/45ページ
そこで僕らは、あのふたりに出会った。   その時はさして彼らに興味を持ってはなかった。 ノリで演奏に来た子達とは違って、ちゃんと練習を積んできた子達なんだろうなとは思ったけれどそれだけだった。 4人で文化祭に出た後、その興奮のまま打ち上げに行ったりはしたけど、その後卒業まで彼らと言葉を交わすことは一度もなかった。   高校卒業後僕と望は同じ大学に通った。 そこで出会ったメンバーとバンドを組んだりもしたけど、どれもあまり長くは続かなかった。 それでも、僕と望が離れることはなかったけれど。   それは大学3年の夏のことだった。 大学3年にもなれば色々将来のことを真剣に考えなければならなくなる頃で、まだ決めることのできない僕達は現実逃避するかのようにバンド生活に明け暮れてた。 そんなある日のこと。 僕はライブハウスを借りるために出掛けていた。 そこでたまたま彼らと再会して、懐かしくなった僕は彼らの演奏を聴いていくことになったんだ。
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加