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どうしても僕は望から離れることが出来なかった。
望は僕のたったひとりの親友だったから。
望が辞めるって言うまで一緒にバンドを続けていこう。
あの子達のことは、1ファンとして見守っていこう。
そう思って僕は、望に秘密を作ったまま一緒に続けていくことを決めた。
その気持ちが再び揺れ始めたのは、しばらく経ったある日のことだった。
うちのバンドが解散した。
理由はありきたりなことだ。
ドラムの担当だった人が就活優先のためにバンドを辞めたいと言ってきた。
それをきっかけにギターをやっていた人も辞めた。
結局元通り僕と望だけが残された。
望はまた新しいメンバーを迎えて一緒に頑張ろうと言ってくれた。
でも、そんな時になって僕はあのふたりのことを思い出したんだ。
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