1人が本棚に入れています
本棚に追加
/45ページ
僕は望に見せたいものがあると伝えた。
2人に連絡を取って次のライブがいつなのか聞いた後、ライブハウスまで望を連れて行った。
突然のことだったから望はわけがわからず驚いていたようだった。
高校の文化祭で一緒に演奏してくれた子達だよと言うと、望はあいつらも音楽続けてたんだなと嬉しそうにしていた。
しかし曲が始まってすぐ、望の顔から笑顔が消えた。
望は食い入るように彼らの演奏を観ていた。
望ならきっとわかってくれる。
僕と同じ感性を持った望は、きっとこの子達の虜になるだろう。
そしてすぐにこの子達と同じステージに立ちたいと思うはずだ。
僕にはわかっていた。
わかっていたからこそ言えなかった。
望の夢の片方を潰してしまうことになってしまうから。
最初のコメントを投稿しよう!