0-はじまりの日

6/16

1人が本棚に入れています
本棚に追加
/45ページ
「もー、響くん。遅いよ~?」   眼鏡の奥、優しい瞳をした彼の名前は将(しょう)くん。 うちのリーダーでベース。 どうやら今日はオフのためか眼鏡らしい。 「ごめん、ちょっと手間取っちゃって」   ふたりは今夜のパーティーの準備をしていた。 今日から俺達はこのシェアハウスに住み始める。 今夜はそれを記念してみんなでこれからよろしくねパーティーをするのだ。   俺の荷物がもう届いているか訊くと、ふたりで先に運んでおいたと言われた。 さすが心平に将くん。気が利くー。 俺は最低限の荷物として自分で持ってきたキャリーをリビングに置いてから、再びテラスに出た。 「あ、将くん、俺ハンバーグが食べたーい。チーズ入りのやつ!」   キッチンで料理に取り掛かろうとしている将くんにそう言うと、くすくすと笑われた。
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加