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「……反省してないな」
「いやいやとんでもない!」
訝しむ衛兵に、青年は頭を大きく横に振って否定する。
「マジで反省しています!」
そう言って媚びながら衛兵の足元にすり寄り、再び地面と接吻する。しかし、
「足くっさ!」
顔をしかめ鼻を摘まみながら、せせら笑う青年。
思わない反撃に顔を赤に染め激怒をする衛兵は、
「……き、貴様ぁぁぁ! やっぱり反省していないではないか!」
剣を青年の喉元に突き付けた。
しかし青年はそんな怒気に怯まず、さらに次なるパンチを舌のせて放つ。
「さっきから思ったけどおっさんって、息も臭いよね。あ、唾が飛ぶから怒らないで」
「いいぞいいぞ!」
「おう坊主! もっと言ってやれ!」
面白半分で見ていた野次馬は粗野な言葉で囃し立て、彼を中心に収拾がつかず、辺りは混沌としていた。
その時、「パーン、パーン!」と乾いた警告音が騒ぎを制する。衛兵は右手を空に突き上げ魔法を行使していた。
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