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赤い色の箸の数字は3、黒い色の箸には1、白い色の箸には5。そして、白い箸の包み紙にはこう書いてあった。
『使用回数厳守の事。それを守ればあなたは幸せになる。ただし、1人の時に限る』
急にそんな箸を手に入れてもなぁ。今は叶えたい願いなんてないしなぁ。試しに白い箸を使ってみよう。回数も多いし、効果を確かめるのにももってこいだし。
私は、白い箸を手に取り、冷蔵庫の中の漬物を取り出した。
とりあえず、願い事は『プリンが欲しい』と願ってみた。
ポリポリポリ、ポリポリポリ。昨日より味が良くなっている。さすがおばあちゃんの漬けた漬物だ。おばあちゃんの漬物を食べると既製品の漬物なんて食べれないよ。
そんな事を思いながら漬物を食べていると、父親が仕事から帰ってきた。
「ただいま、今日はパパからお土産だぞ」
そう言って箱から出してきたのは、なんとプリンだった。
「どうしたの?パパは甘いもの嫌いだよね」
私の父親は甘いものが嫌いだ。昔は食べていたと言っていたが、今では甘いデザートが嫌いでしょうがないらしい。多分、砂糖の甘さが苦手なのだろう。
「これは営業で取引先から商品のサンプルだって言う事で貰ったんだ。食べた感想を素直に教えてほしいって事だそうだ」
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