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男子たちもそれにのっかり近藤を攻める。
「俺たちだってやりたくないが人に押し付けるようなまねはしないぞ!」
「近藤君ってこんな人だったんだ」
男女合同の一斉射撃を受ける近藤は見ていられない。
「私は全然いいんだよ。こういうの嫌いじゃないし」
近藤をかばっているひなたちゃんはやっぱりかわいい。
「じゃあ、葛城で決まりだな」
先生はそう言ってみんなを鎮めた。
「じゃあもう一人はくじで…」
先生はどうしてもくじが使いたいらしい。
しかし、また近藤が現れた。
「先生、もう一人推薦したい奴がいます」
今日はどうしたんだ近藤?いつもはこういう時真っ先に寝ているのになんかお前らしくないじゃないか。
「それは、和人です」
「「「え~!?」」」
クラスみんなの大合唱が始まった。
一番驚いているのは僕だ。
「ちょっと待て!和人がするなら俺が!」
「いや!俺がする!」
「お前らなんかに任せられるか!」
女子はまるで蛆虫を見ているような眼で男子たちの醜い抗争見ていた。
「おいおい、お前たちさっき俺たちだってやりたくないって言ったよな」
「う…」
男子達はたじろいだ。
「それに、女子の目を見てみろ」
「う…」
男子はさらにたじろいだ。
「女子も文句ないよな?」
「まぁ堂本君ならね」
その時先生が両手をパチンとたたいた。
「よし、決定だな。二人とも立て」
僕とひなたちゃんは恥らいながらたった。男子たちの物々しい視線を感じながら…
「はい!みんな拍手!」
僕は内心ガッツポーズの嵐だった。この時ばかりは近藤に感謝するしかないな。あとからジュースでも奢ってやるか。
「葛城、堂本、あと一週間しかないからな。ちゃんと二人で何するか話し合っておくんだぞ」
そうして、授業の終了のチャイムが鳴った。
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