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男の瞳にももう光がうせようとしていた。
そう、
命が尽きるのだ。
この戦いは壮絶なもので、
この男の命によって相打ちという勝利を遂げたのだ。
「長かった。
この世界はこれで守れた。
君のおかげだ」
男はゆっくりと話しかけてきた。
そこに人影もないため、
独り言のように見えるだろうが私は確かに彼の傍らにいたのだ。
「次に行くのだろう?願わくばこの世界すべてに平和を」
そう、
私は次を探さねばならない。
男の命が尽きるのを見届けて、
私は女神に祈りささげた。
次の勇者の下に届けていただけるように。
私は女神がこの大地に平和を望み、
勇者へ仕えるようにと天から使わされた聖剣である。
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