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チンチリリン。
んっ、鈴の音か!?
足元で鳴った鈴らしき音色に目を向ける。
どこだ、どこで鳴った。
あっ、あった。
少し先にある銀杏の木の根っこが地面から顔を出したところに金色の鈴がひとつ転がっていた。
もしかして俺が蹴飛ばしたのかも。そんな気がする。
微かにだが何かを蹴った感触があったから。
鈴かぁ、落し物なのかな。だとしたら届けてあげなきゃいけない。けど、誰のかわからないし探しようがない。とりあえず拾ってはおこう。
そう思った矢先、目の端に動くものが。猫だと気づいたときには目の前で金色の鈴を銜えてこちらをみつめてきていた。
「もしかして、おまえの鈴か?」
思わず猫に向かって話しかけていた。
――周りに誰もいないからいいもの、誰かいたらおかしな奴だと思われたかもしれないな。
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