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ボブ
「いやいや!外より全然ましだぜ!・・・でも、なぁ、俺、金ないから、家賃とか払えないぜ・・・」
彼
「ボブ、君は、ギターを弾いてるね」
ボブ
「ああ、見ての通りな!」
彼
「家賃の代わりにというなら、ちょっと教えてくれないかな?」
ボブ
「おっ!もちろん良いぜ!・・・で、ギターはどれだ?」
彼
「ああ、これなんだ」
ボブ
「SGか!?良いもん持ってるな」
彼
「まぁ、若い頃に買ってね。でも全然使ってない、というか、練習が出来なかったんだ・・・」
ボブ
「忙しかったのか?」
彼
「いや・・・。本を読んだりしてもいまいちでね、、どうも、独学が駄目らしい」
ボブ
「いまからでもやってみれば、なんとかなるさ」
彼
「私は、もう遅いさ、もう、ね・・・。40後半でもうすぐ50だ。生活保護だってかなりのあいだもらっている」
ボブ
「俺は、年齢なんて関係ないと思うぜ?」
彼
それから、数日間、ボブにギターを教えてもらっていたが、なかなか上達はしなかった。
彼
「すまないね、物覚えが悪くて・・・」
ボブ
「いや!・・・うーん、ま、まぁ、なんとかなるさ!」
彼
「はは、ありがとう、ちょっと、散歩に行って来るよ」
彼
雪の降るなか、散歩に出た私は、、公園内に入り、その途中の道でふと足を止めた。
茂みの奥に、誰かが居るような気配を感じ、そこへと向かった。
彼
「お、おい、しっかりするんだ!」
彼
そこには、二人の女性が薄着で倒れていた。周りには酒の瓶が何本も転がっていた。
救急車を呼び、二人の手を握りながら、私は声をかけていた。
そのときに、どこからともなく声が聞こえたのだ・・・。
神
「助かるのは一人だけです」
彼
「一人、だけ・・・?」
神
「そうです、どちらを助けるべきか、あなたが選びなさい」
彼
「そんな、こと、私には、私にそんなことを決めることなんて出来ない!神よ!私はどうしたらいいのですか!?」
神
「・・・選びなさい」
彼
「私の命を与えても良い!だから、二人を助けて欲しい・・・」
神
「見ず知らずの人のために、あなたは自分の命を差し出すと、そういうのですね?」
彼
「二人ともが助かるのならば、私は元々、あまり生きる価値のない人間だから」
神
「社会の役に立てない人間だからですか?」
彼
「・・・はい」
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