第1部

9/23
前へ
/23ページ
次へ
アンナ 「私が、私が、あの時だって、私が・・・一緒に死のうって・・・私のせいで、ジェシーを死なせるところ、で・・・全部、弱い、私がいけないんだ・・・」 ジェシー 「アンナは悪くない!悪くないよ!!弱くないよ!!・・・あの時だって、あの時だって、差別的なことを言われた時だって、アンナは精一杯、私を護ろうとしてくれたじゃない・・・」 彼 「ジェシーはいつものように、アンナに寄り添ってあげるといいよ」 ジェシー 「・・・うん」 ボブ 「落ちるっていてたけど・・・アンナ大丈夫なのか?」 彼 「発作みたいなものだよ、数日はよくわからない嫌な、とても嫌で苦しい、心の痛みが続くだろうけど・・・」 ボブ 「発作、か・・・」 彼 「目に見えない分、厄介なんだ・・・。一番危ないのは、よくなってきたころかな・・・ふいにね、やっちゃうんだ」 ボブ 「よく知ってるんだな」 彼 「経験したからね・・・」 ボブ 「じゃあ、牧師さんも未遂をしたことがあるのか?」 彼 「私は、怖くてできなかったな・・・。死ぬことが、というよりも、その時の苦しみや痛みのことを考えてしまってね」 ボブ 「お・・・。アンナは寝たのか?」 ジェシー 「ええ」 ボブ 「あぁ・・・ジェシーもあんまり無理はするなよ?体、強くないんだろ?」 ジェシー 「無理しなければ平気よ」 ボブ 「いや、だから、無理をするなと言ってるんだけどな」 ジェシー 「わかってるわよ」 アンナ 数日たって、少しだけ気分が戻ってきた。 それを見計らっていたかのように彼に声をかけられた。 彼 「具合は大丈夫かい?」 アンナ 「うん・・・少しはよくなったよ」 彼 「よかった」 アンナ 「私、一生このままなのかな・・・」 彼 「そうだね、治らないかもしれない。体の傷だって、ひどいものは一生の障害になるものもあるからね」 アンナ 「つらい、つらいよ・・・治らないかもしれないの?」 彼 「人によるよ、治る人もいれば、一生治らない人もいる、、けど、体の傷と違って、心の傷は、誰かが癒してあげることができると思うんだ」 アンナ 「・・・私は一度死のうとしたよ、また、そうするとは思わないの?」 彼 「思わないわけではないさ、だからこそ、そばにいるんだ。そばにいて、傷を支えるんだ」 アンナ 「私は、ジェシーを、、殺してしまうところだった、私の我侭で、私のせいで・・・」
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加