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『早川さん、今日はお疲れさま。無事、商談も纏まった。後は、桐谷くん、しっかり頼むよ。
私は、ここで失礼するから、後はよろしく。』
渡辺専務は、そう言い、迎えの車に乗り込みながら、
ふっと、私に優しい笑顔を向けて、コソッと
『今日はすまなかったね。私の隣でリラックスできたかな?期待以上だったよ。
たまには、家にも遊びにきてくれよ。それじゃぁ、お疲れさま』
(おじさま……)
私は、心の中でありがとうございますと、言いながら頭を下げ見送った。
顔を上げると、桐谷係長が、優しく微笑んで
『さぁ、僕達も行こうか。
早川さんはこのあとの予定は?』
『えっ、予定ですか、あのっ、少しだけ仕事が残ってますので、一度戻ろうかと……』
『僕も残務整理があるから、一緒に戻ろうか。』
と、言いながら、手を挙げタクシーを止め、私を先に乗せてくれた。
はぁっ、ほんとに紳士……
紳士な振る舞いは、噂通りだわ。
容姿端麗で仕事も出来て、紳士だなんて、
こんな人
ほんとにいるんだ…
パパも紳士だけど……
若い時は桐谷係長みたいだったのかなぁ、今度、ママにこそっと聞いてみよう。
窓の外を眺めながら、そんな事を考えてるとあっという間に社に到着。
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