第2章

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『早川さん、今日はお疲れさま。無事、商談も纏まった。後は、桐谷くん、しっかり頼むよ。 私は、ここで失礼するから、後はよろしく。』 渡辺専務は、そう言い、迎えの車に乗り込みながら、 ふっと、私に優しい笑顔を向けて、コソッと 『今日はすまなかったね。私の隣でリラックスできたかな?期待以上だったよ。 たまには、家にも遊びにきてくれよ。それじゃぁ、お疲れさま』 (おじさま……) 私は、心の中でありがとうございますと、言いながら頭を下げ見送った。 顔を上げると、桐谷係長が、優しく微笑んで 『さぁ、僕達も行こうか。 早川さんはこのあとの予定は?』 『えっ、予定ですか、あのっ、少しだけ仕事が残ってますので、一度戻ろうかと……』 『僕も残務整理があるから、一緒に戻ろうか。』 と、言いながら、手を挙げタクシーを止め、私を先に乗せてくれた。 はぁっ、ほんとに紳士…… 紳士な振る舞いは、噂通りだわ。 容姿端麗で仕事も出来て、紳士だなんて、 こんな人 ほんとにいるんだ… パパも紳士だけど…… 若い時は桐谷係長みたいだったのかなぁ、今度、ママにこそっと聞いてみよう。 窓の外を眺めながら、そんな事を考えてるとあっという間に社に到着。
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