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『さっきは、イジワル言ってごめんね。
遅刻するよなんて言って……。
休日出勤なのも知ってたし、専務と会食に行く事ももちろん、知ってたんだ。昨日、渡辺専務から、僕も一緒に行くようにって言われてね。今日の会食の相手、僕が担当してるんだ。
駅で早川さんを見かけたから、一緒に会社へ行こうかなって、声をかけようとしてたんだよ。
そしたら、君が携帯を落として……。
こうなった……ってワケ。』
優しい口調で、話してくれるので、私も落ち着きを取り戻し、やっと、顔を桐谷さんに向けると、
眩しいくらいの、笑顔で、私を見てて、またまた、私の心臓が暴れ出しそう……。
落ち着け~~
落ち着け~~
私……。
一呼吸……ふぅ~~っと吐いて
『そうだったんですね。今日はよろしくお願いします。
実は、専務と2人って聞いて、緊張してたんです。
失礼のないように、しないと、って思うと、ますます、緊張しちゃって……
だから、さっきも慌てちゃって…
休日出勤の事もすっかり忘れちゃってました。
ほんと、遅刻じゃなくて良かった』
やっと、いつものペースに戻った私は、普通に話せたと思う。
うん。大丈夫だよね。
あっ、桐谷さんじゃなかった……桐谷係長だ。
若干29歳にして、係長なんだ。
海外事業部のエースだもんね。
海外出張ばかりで、つい1週間前にアメリカから、帰国したところなのに……なんで、私の事知ってるんだろな…
ほんと、背も高くて、イケメンで、エリート、みんなの憧れなのが、ほんと、よく分かるよ。
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