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酒を大きく煽ってぼんやりとした頭。
微かにぼんやりと靄(もや)をかける頭の中に浮かんだ“見知らぬ少年への独占欲”というものから目を逸らす。
それが不可能なことも分かっていながらにして。
無意識に落ちていた視線。
寝室から聞こえた大きな声にはっとして頭を小さく振ってから歩みを早める。
「おいっ、?!」
気付いた時には天に伸ばされる手をつかんでいた。
状況も読めぬまま、パニックに陥っている体を支える。
「やだ…いやだっ、こないで…!助けて!こわいっ」
何かから逃げる様に、一方で要に縋る様に回された手は庇護欲を深く掻き立てられて
「大丈夫だ、落ち着け。ここには怖いものはない。俺が...守ってやるから、
...安心しろ」
そう、言葉にしていた要自身、驚きは感じなかった。
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