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いつも無口な稲富くん。
彼は仲間内でも無口。
あまり会話をしない。
おまけに、一度もギャグを言ったことがない。
そんな彼になんとかギャグを言わせたい。
そんな思いに駆られ、麻雀卓の対面に座っている、川崎くんは稲富くんに向かって。
「なんかさギャグを言ってよ」
と懇談するも
「やだ」
と、一言返されただけだった。
なんとも言えない空気がその場を包む。
稲富くん以外の麻雀を打つ手が止まる。
一瞬の静寂の後。
皆が一斉に麻雀牌をかき回す。
その音だけが部屋に鳴り響いていた。
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