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「福音の願い(閉塞)」
ある日
彼女は口を開き
僕に願ったんだ
見せて、と
僕のことなど分からない 何が僕なのか忘れてしまった こんな僕に望まないで こんな僕を見ないでくれ
(*)
どうか僕を見捨ててくれ
いつもひとりでいいんだ
涙は枯れ、怒りも無い
ただ虚しいだけの日々
もう、それでいい
ある時
彼女は横に座り
僕に問いかけた
あなたの願いは、と
愛して欲しい、傍にいて 分かってほしい、抱きしめて 自分にはできないのに そんなことは願えない
(*)
あるところ
彼女はただ見つめながら
僕に問いかける
あなたの思いは、と
どうか僕を見捨ててくれ
いつもひとりでいい
涙は枯れ、怒りも無い
ただ虚しいだけの日々
隣には、誰もいない
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僕は空を仰ぎ見て
ひそかに思う
綺麗だ、と
僕の記憶、世界の記憶 皆が笑ってくれれば良い 僕よりも皆が幸せに 僕はそうとしか生きられない
どうか僕を見捨ててくれ
いつも独りでいるから
涙は枯れ、怒りも無い
ただ虚しいだけの日々
隣には、誰もいなくていい
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