0人が本棚に入れています
本棚に追加
「捌け口少年は笑う」
世界は残酷で汚ならしいけど
笑えばどこでだって生きていける
彼の名前は捌け口少年
みんなの苛立ちを受ける毎日に
捌け口少年は笑ってる
皆はそれを見て嘲笑う
捌け口少年の体は傷だらけ
打撲、切り傷、内出血
彼の体は悲鳴をあげても
彼の顔は笑っている
#
彼は母の言葉を守る
「笑ってくれていれば幸せよ」
捌け口少年は涙を絶対に流さない
母が言ってくれたひとつの言葉
そんなときポストに一枚の手紙
内容は母の死亡と変革の触媒
彼の名前は捌け口少年
母がいない世界でも少年は笑う
死んでも幸せになっていてほしい
純粋な想いは彼を笑顔にさせる
変革した少年に人は群がる
打撲切り傷内出血
それは彼の周りにできはじめる
彼は顔は優しく笑うだけ
#
捌け口少年は皆を支配する
皆が笑えば母はもっと幸せになるだろう
泣くのは母への冒涜で価値は無い
不幸にさせる人間など少年は淘汰する
捌け口少年の周りは皆が笑っている
泣くものなど何処にもいない
捌け口少年は笑うだけ
美しい幸せそうな世界
最初のコメントを投稿しよう!