485人が本棚に入れています
本棚に追加
俺はムナクソ悪い気分で登校した。
友だちと話していても、頭に入って来ない。
「…い!おい!優多!きいてんの?
今日のおまえ、何か変だぞ?」
「…あ?ああ、わりぃ。昨日、嫌なもん見ちまって…。」
「ん?何か合ったのか?……女に間違われて、痴漢にで……ま、まて!話せばわかる!」
瞬間的に俺は、親友"眞木隆一"(まきりゅういち)の胸ぐらを掴んで睨んでいた。
俺は冗談でも、顔の話をされるのが嫌いなんだよ。
「…んとによー。顔に似合わず、力だけは強いよなー。」
離すと、軽口をまた叩く。
コイツ、懲りねぇな…。
「マジ、機嫌わりぃじゃん…。何があった?」
「…………"口裂け……男"を見た。」
「…はぁ?"口裂け女"なら都市伝説とかで聞くけど、"口裂け男"ってなんだよ?」
「……俺に聞くな。俺だって見たとき思った。
俺も最初は変質者について来られてるって思って、途中から走ってアパートの階段掛け上がったんだよ。
面くらい拝んでやろうって覗いたら、トレンチコートの男が見失った俺を探してたみたいでさ。
視線は合わなかったけど、………笑ったんだよ。
……………裂けた口開いてさ…………。」
最初のコメントを投稿しよう!