異世界行くなら死ぬしかないけど、いいかな?

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「ネッサリー!ネッサリー!ネッサリー!」  俺は今日も筋トレをしていた。  なぜかと問われてしまえば、俺の吐いている部活動が。「肉体改造部」という究極にわけのわからない部活だからだ。 「ネッサリー!ネッサリー!ワガハイハネコナリー!」  ちなみに、この体操は、肉体改造用ダンスビデオというものだ。いわゆる一昔前にはやったビリー大佐のブートキャンプのビデオみたいなものだ。 「ふぅ、小腹がすいたな……」  やはり体力を使うため、カロリー消費は大きい。  しかしながらたんぱく質などの栄養も管理する我が部で、間食に許されたものは。蒟蒻ゼリーしかない。  しかたない。これも一種の定めだな。  そう思いながら、持ってきた蒟蒻ゼリーを一口丸まんま放った。 「っ!?」  しかし、勢いよく吸い込んだがために、俺の喉の奥で引っかかってしまった。  まずい、食道に通すために、気管の弁がすっかり閉じてやがる!  おかげで空気は吸い込めねぇ、さらに言えば、鎖骨の間から胸骨の上あたりが圧迫されていたい。  やがて薄れる体の感覚。そして…… 「HAHAHA!今の君は最高にCOOLだぜ!自信もっていけよ兄弟!」  テレビのジョージが、まるで俺を見ているかのように指をさした。  こいつ、自信もって逝けよとかふざけてるな。  来世では、蒟蒻ゼリー廃止運動にさんかしてやる。  それが最後だった。
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