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「歌手なんて夢諦めろ。今すぐだ。」
…え?
…ナンデ?
「ちょっと待ってください。今日僕が呼ばれたのってこの話のため?」
「…そうだ。歌手なんて馬鹿な夢諦めろと言っているんだ。」
…は?
意味わかんない。
その時、僕の体の中からプツンっと何かが切れる音がした。
「…なんでだよ。なんでテメーごときに僕の夢諦めろとか言われなきゃなんねーの!?僕は…僕は歌手になりたいんだ!!!!」
バンっっ!!!!
っとドアを開けて僕は生徒指導室を勢い良く飛び出した。
ボロボロのスクバを背負って駐輪場へ走る。
なんてラッキーなんだろう。
今日に限ってチャリンコの鍵をしめていない。
急いでチャリンコにまたがり学校を飛び出した。
遠くから"天野ー!!!"と叫ぶ声が聞こえる。
そんなの無視。
万が一追ってきてもいいように僕の家と反対方向の駅方面へチャリをとばした。
猛スピードでチャリを漕いでいるから風のせいで僕の髪の毛がなびく。
髪の毛の間から風が抜ける感覚がとても心地よい。
"彼"に触られたらこんな感じなのかな…。
…やっべ
今は考えちゃダメだ。
僕は2、3頭を振り脳内をリセットした。
風が強くあたったせいか口の中がパリパリする。
喉乾いた。
そういや…昼休みから何も飲んでないや。
何か飲み物でも買おうと思い駅前のコンビニにチャリを止める。
その時だった。
"彼"によく似た青年が僕の前を通ったのは。
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