ヒトメボレ

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       バンっ 僕は勢いよく扉をあけて生徒指導室を飛び出した。 ボロボロのスクバを背負って駐輪場へ走る。 なんてラッキーなんだろう。 今日に限ってチャリンコのガキを占めていない。僕はチャリンコにまたがり学校を出た。 遠くから"天野ー!!!"と叫ぶ声が聞こえる。そんなん無視してちゃりをとばす。万が一あのバカ教師が追ってきてもいいように僕の家と反対方向にある駅方面へ向かった。 風がとても心地よい。 髪がびく感じがとても気持ち良い。 "彼"に触られたらこんな感じなのかな…。 …やっべ 今は考えちゃダメ。 僕は2、3と頭をふり脳内をリセットした。 風に強くあたったせいか口の中がパリパリした気がする。 何か飲み物でも買おうと思い、駅前のコンビニにチャリンコを止める。 店内に目をやった瞬間、僕の目に幻が写ったのだ。 ふわふわの茶髪 かっちりとした肩 青と黒のハイカット 間違えない。 "彼"だ。
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