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「今年のインターハイに全てを賭けてきたんだ。俺はどんな状況だろうと、勝負を捨てたくない! 頼むから、親父の力を貸してくれ!」
血走った光輝の目が龍二の苦い顔を捉えた瞬間、とても嫌な予感がした。
「すまんが、無理だ。お前を試合に出すわけにはいかん」
「何でだよ!?」
「腫れも痛みも、今までの怪我とは比べものにならないはずだ。靭帯が完全断裂した状態では、技にすら入れないんだぞ。今回だけは、諦めてくれ」
「……ふざけんな!」
咄嗟に光輝が吐き捨てたこの言葉は、一体誰へ向けたものだったのだろうか。
怪我の原因となった下級生か。
それとも、診断を下した医師と父親か。
はたまた、集中力を欠いた自分自身か。
冷静さを失った彼には、わからなかった。
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