不幸の三徴候

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一夜明け、眩い光を放つ太陽が光輝の部屋を照らし始めると、日頃の習慣から自然と目が覚めた。 だが昨夜は寝返りをうつことで右膝が捻れ、その度にまるで鋭利な刃物で切りつけられるような痛みに悲鳴を上げていた彼の顔は蒼白い。 ――――やっぱり、夢じゃねぇよな……。 力なくベッドから起き上がり、恐る恐るジャージを捲った。 そして龍二の巻いた包帯を外し、湿布をゆっくりとはがす。 ――――最悪だ……。 右膝は皿の形がわからないほど、腫れを増していた。 赤みを帯びた患部に触れると、熱感もある。
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