不幸の三徴候

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病気や怪我に苦しむ患者が、最も緊張する瞬間。 おそらくそれは、診断結果を医師から告げられる時だろう。 神山光輝(かみやま こうき)もその例外ではなく、不安に満ちた面持ちで患者用の丸椅子に腰掛けていた。 整形外科の診察室という、白を基調とした明るい空間に、張り詰めた空気が漂い始める。 白髪交じりの医師は、パソコンに映し出されたMRI画像を見るなり、低く唸った。 そんなに悪い状態なのだろうか。 光輝にはモノクロの画像が何を意味するのか、さっぱりわからない。 「やはり、切れてるな……」 パソコンから視線を逸らさず、医師がぽつりと呟く。 そして、すべての画像に目を通したところで漸くこちらを向き、淡々と告げた。
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