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と、母に言うも咲夜も母もノリノリで、2人だけの世界を作り上げていた。
「こんな所じゃ申し訳ないから、上がって上がって!」
咲夜の手を握り、立ち上がらせると母は、俺の意思など御構い無しに咲夜を部屋に引っ張って行く。
「ちょっ!母さん!!」
「わわっ!?」
「はーい!
正樹の部屋に到着ぅー。
どーん!」
「わぁ!?」
母は、俺の部屋に咲夜を押し込むと、不敵な笑みを浮かべながら近づき、耳元で囁いてきた。
「藤次さんの娘さん。
絶対ものにしなさい。
それと、傷物にしたら、コロス。」
「ひっ!?」
背筋に冷たいものが走り、体が硬直してしまう。
母の恐ろしさは息子の俺が一番良く知っているからだ。
「うふふ。
ごゆっくりー!!」
そう言うと母は鼻歌を歌いながら去っていった。
「あたた…」
「ごめんな……
うちの母が……」
「ん?
うふふ…たのしいお義母さんですよね。先輩のお母さんって。」
どうやら咲夜も気に入ってくれた様だ。
何故か心の底からほっとする。
それと同時に緊張が走る。
〝しまった!?
部屋をかたせてない!!〟
あちらこちらに散らばる洗濯物と漫画の数。
布団は、グチャグチャに丸まり、ゴミ箱は今にも溢れそうだ。
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