第1章 彼女がやって来た。

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と、母に言うも咲夜も母もノリノリで、2人だけの世界を作り上げていた。 「こんな所じゃ申し訳ないから、上がって上がって!」 咲夜の手を握り、立ち上がらせると母は、俺の意思など御構い無しに咲夜を部屋に引っ張って行く。 「ちょっ!母さん!!」 「わわっ!?」 「はーい! 正樹の部屋に到着ぅー。 どーん!」 「わぁ!?」 母は、俺の部屋に咲夜を押し込むと、不敵な笑みを浮かべながら近づき、耳元で囁いてきた。 「藤次さんの娘さん。 絶対ものにしなさい。 それと、傷物にしたら、コロス。」 「ひっ!?」 背筋に冷たいものが走り、体が硬直してしまう。 母の恐ろしさは息子の俺が一番良く知っているからだ。 「うふふ。 ごゆっくりー!!」 そう言うと母は鼻歌を歌いながら去っていった。 「あたた…」 「ごめんな…… うちの母が……」 「ん? うふふ…たのしいお義母さんですよね。先輩のお母さんって。」 どうやら咲夜も気に入ってくれた様だ。 何故か心の底からほっとする。 それと同時に緊張が走る。 〝しまった!? 部屋をかたせてない!!〟 あちらこちらに散らばる洗濯物と漫画の数。 布団は、グチャグチャに丸まり、ゴミ箱は今にも溢れそうだ。
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