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〝なんか変わり者とか思われたかな。
それとも、実は二郎で、その時の記憶がまだ残ってて、ばれたら消えちゃうとか?
いやいや……、最後のはあり得ない!!
〟
と、困惑する自分を脳内で描き、必死に動揺しまいと堪える。
「その前に!
先輩の誕生日を教えてください!!」
〝逆に聞き返してきただとぉー!?〟
はぐらかされた様な気がする。
だが、話題をそらされたわけではない。
彼女も、そう息巻いておきながら、恥ずかしそうに俯いている。
〝自分でも何故そう言ってしまったのかわかってないみたいだな。
まぁ、別に隠すことでもないか〟
と、気持ちを整え、答える。
「1月14日。」
「えっ。えーっ!?」
すんなり教えてくれないとでも思っていたのだろうか、彼女は大袈裟なほど驚き、目をぱちくりさせている。
「教えたんだから、藤次も教えてくれよ。」
「う・うん・・・1月13日だよ・・・」
〝一月十三日!?〟
俺は耳を疑った。
彼女の誕生日が俺の一日前だったなんておもいもしなかった。
それだけではない。
〝一月十三日〟
その日は、二郎が我が家の家族となった日であり、運命を感じずにはいられなかった。
「そっかぁ……。
一月十三日ね。
一月十三日……。」
「?」
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