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しっかり掴まれているからだけじゃない。
何故だが、彼女に引っ張られる事が懐かしく感じる。
前にもあった様な…と言うデジャヴ感が気になって仕方無かった。
「そこ!曲がります!!
曲がったら、階段の下に隠れて下さい。」
「う…うん。」
言われるまま、階段の下に隠れると、追ってきた男どもは通り過ぎ何処かに行ってしまう。
「ハァハァハァ……
なんとか……巻けました。」
「ハァハァハァ……
全く……なんで俺まで……」
「ごめんな……あっ……」
「どうし………あっ。」
階段下に隠れるという事は、どういう意味か。
俺は知ってしまった。
〝凄く柔らかい……
そして、いい匂い……〟
そして、赤面し俯く姿がとても可愛く見える。
「せっ……先輩………。」
「あっ!ごめん。」
俺は、咄嗟に手を離し彼女から離れると立ち上がり手を差し出す。
「ほら……。」
「うん。ちょっとまってください。」
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