第1章 彼女がやって来た。

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と、ありきたりそうな言葉を言ってみる。 〝きっと、はい!って言う言葉が返ってくる 間違いない!〟 返答を静かに待つ。 それは、確定事項だと分かりきっている事にも関わらず。 「はい! 先輩の事!ずっと見ていました。」 〝だよね!だよね!!〟 浮かれる気持ちを抑え、彼女の前に立ち、手を握ると優しく微笑んで言った。 「よろしく。」 その言葉に顔色がパァっと明るくなり涙が溢れる。 「言って見てよかったぁ!」 そんな彼女に俺は、ハンカチを取り出し渡す。 彼女は、ハンカチで涙を拭くと満面の笑みをくれた。 「今度からは、俺の隣で歩けるね。」 「?はい! でも、今度からって?」 と!首を傾げ、不思議そうな表情を浮かべ、腕に絡みついてくる。 「へ?」 嫌な予感がする。 〝だって…いつも俺の後ろをつけて………〟 「???」 「いや…だってさぁ!? いつも下校する時、俺の後ろを……。」 「? あぁ……だって、先輩の家、うちの近くじゃないですかぁ。 帰りは同じ道順ですよ?」 〝えぇー!!?〟 ストーカーされていたわけじゃ無かった。 思考の選択肢にもあった帰り道が一緒であっていた。 一瞬の間に色々な情景が頭に浮かぶ。
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