第1章

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今朝のことだ。 枕元にペットボトルが一本。 中身は透明。ラベルはなく、未開封の1リットルペットボトル。 けちな自分がたかがペットボトルの水を買うようなことは有り得ない。 キャップを回し、勇気を出して飲んでみた。 水だ、ただの水。 そのことが分かると同時に、ペットボトルに対する興味は薄れ、着替えをすると仕事のために家を出る。 なんとなく、あのペットボトルを持って。 今日もいつも通りよくある会社の平社員として働く。 仕事中、何度かペットボトルの水を飲んだ。 業務が終わる頃には、ペットボトルの中身は3割ほど。 家に帰り、疲れた体を風呂で癒し、またあの水を少し飲む。 あと1割。 独り暮らしなりの食事を終え、水を飲んだら無くなった。 結局これはなんだったのだろう。 ペットボトルをゴミ箱に投げ入れるときそう思う。 次の日、枕元に置き手紙。 「昨日、足りなかったでしょ?」 あ、
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