第弐影

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腰のポーチから携行食を取り出しかじる。 口の中で咀嚼し飲み込む。 忍者の携行食…兵糧丸とも呼ばれ、薬草と干し果実に蜂蜜を加え、小麦粉を混ぜ合わせ練る。一口大に形成して乾燥させたものだ。 今で言うカロリーメイトだ。 昔の忍者は、滋養のある乾燥肉(蛇や蛙)を薬草等と混ぜ合わせ、味度外視した代物だったらしい。 腹持ちはするが、不味い。 兵糧酒の類いもあるが、薬用酒みたいな味。少量で元気になるが、酒の中に沈んでいる物のせいで、飲みたいと思い辛い。 沖縄のハブ酒みたいなものを想像してくれ。 手持ちの食料も少ない、拠点を作り食料と水の確保。肉や魚を狩り、保存食の作製、拠点防衛用の罠の設置。 サバイバルの知識は、忍者の基本。休日は山登りとサバイバル訓練と称したキャンプ生活。 友達とカラオケとか、行ったこと無いな…。 Mr.Xの仕事もあったから、と言い訳してみたり。 魔力が無くても、体力はある! 音を立てず、木々の間を、木々の上を走り出し、どこに何があるか確認する。 使えそうな薬草、食べれそうな果実、芋の蔓の在処、肉の所在、魚と水源、森の外。 薬草類に関しては、初めて見るものが何故か判る。基本的な知識がインプットされているかのようだ。 薬草採取クリア。 りんごと洋梨を組み合わせたような、変わった形の果実が多数。スイカ柄のチェリーや星型のみかんなど、見た目がアレだが、普通に美味い。 果実採取クリア。
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