第壱影

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「はあ?メール?」 「そう、異世界への誘いのメールさ!」 突然、こんなことを俺の友人は言ってきた。正直頭がおかしいか、頭の中が面白いことになっているに違いない。 「きっとそうだ!」 「え?何が!?」 「何でも無い」 「でな、メールを開いて、質問に答えると能力を貰える上に、異世界へ旅立てるんだよ!」 いきなりこんなことを言ってきたこの男の名前は、藻部藻部夫。因みにペットの名前は藻部右衛門。 顔は、見事なへのへのもへじである。同じ人間か何十回と疑ったのは秘密だ。 「言ってみたいよな、異世界」 「行けばいい、筋肉ワールドがお前を待っている」 「嫌だよ!そんな世界。お風呂がある世界がいいなぁ」 こいつは別に風呂好きではない。風呂に入る女性を覗くのが好きと言う変態だ。間違えた、変質者だ。 近い内に逮捕されるに違いない。 「そう言えば、今日はどこを狙うんだ?」 「もしかして、君も目覚めた?」 「違う。俺の理想を知っているだろう?」 「そうだね、現実に居そうにないよね…いや!?いると思うよ!!」 否定された瞬間、俺の身体から黒い何かが這い出て来た。しかし、肯定的な意見と共に引っ込んだようだ。
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