第壱影

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「じゃあ、帰るよ。頑張ってな藻部!」 「ああ!任せろ!俺に不可能の文字は無い!!」 (それは、どうかな) 藻部藻部夫に別れを告げ、僕が向かう場所は… 電話ボックス。 ―――――― ピッポッパ プルルル、プルルル、ガチャ 「「「私だ」」」 エコーが掛かった不思議な声が、受話器から聞こえる。 「本部長、Mr.Xです!」 「Mr.Xか?」 「「「そうだ。私がMr.Xだ! 手短に話そう。○○区のスーパー銭湯に、奴が現れるだろう。 奴は覗きのプロだ。 君達の奮闘に期待する」」」 「待ってくれ、何故君は、我々に力を貸す!」 「「「この世界は、混沌に満ちている。 私は、影の中でしか生きられない。 正しき光の君達が、存在しなくては、私は存在できない」」」 「我々が光、君は影?」 「「「そうだ……時間だ。では」」」 「待ってくれ、待っブツッ…切れたか。逆探は?」 「後、一秒でした。以前より精度を上げた物を使用しました。…こちらの状態を知っている可能性があります」 「情報が洩れたと?」 「逆探の失敗率100%です。しかも全て、後一秒です。こちらの情報を知っているとしか…」 「影の道を行くMr.X…」
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