第3章 初めてのチェスゲーム

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「そうだ。キングに会いたい。」 「こっちよ。」 中には女性のエルフが数人いたが、こちらを見てくるばかりで何もしてこない。 そしてある部屋まで案内されると、 そこには光のエルフである男性3人と女性が優雅にお茶を飲んでいた。 「あらあ、やっとお仕事かしらあ。」 女性のエルフはうふふと微笑む。 「チェスを申し込みたい。」 「了承した。チェス盤まで移動しよう。」 この地下3階のチェスのルールは体力、防御力のない後方支援にはきわめて不利な状況だとおもう。 駒を取るときに戦う、すなわち必然的に近距離での攻撃になってしまうからだ。 もちろん戦いがはじまったあとはチェス盤内であれば移動できる。 それでも近距離から離れなければならないため不利だろう。 しかし言い換えれば、近距離攻撃に適している剣や斧などは有利なゲームであるといっても良い。 そして、駒を取れる一歩前のマスに足をついたときが戦いの合図となる。 戦いを仕掛ける側の都合で戦いをはじめられるため、どうしても駒を動かす側が有利となるのも必然だった。
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