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「お前、死ぬつもりか?」
男が俺に問いかける。
その問いに、俺は力なく「あぁ」と答える。すると、男はニィと不適に笑い、自分がはめている黒い手袋を俺に渡してこう言った。
「そいつをはめて生きてるやつに触れば、その命を奪うことができる。殺したいやつがいるんだろ?どうせ死ぬなら殺してからの方が逝きやすいだろ?」と。
無気力とはいえ、さすがにこれは信じる気にはなれなかった。だがしかし、俺はその手袋を受け取って家を飛び出し、上岡の自宅マンションへと向かった。
なぜなら、どうでも良かったからだ。自分の命も、やつを殺された後の上岡家の人生も、どうでも良かったのだ。
マンションに着くとそこには運良く宅配のトラックが止まっていた。
俺は素早く近づき、トラックから出てきた男の肩に手をかける。すると、男は一瞬だけ苦しそうに息を吸い、その場に崩れ落ちた。
手袋の効果は本物だと俺は確信した。
そしてすぐに死体をコンテナに隠し、その男の服を着てマンションに入った。
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