2/12
前へ
/37ページ
次へ
 長い呼吸の静けさに  あてられて  さらされて  夜の音色に沈められる  後ろ向きで聴いた声  投影していく切なさ  瞬く間に消えた予感  満ちる事なく欠けた  空の器を抱きしめる  長い吐息の寂しさに  あてられて  さらされて  虫の音色に迎えられる  呼び掛けに揺れた心  浸透していく冷たさ  瞬く間に潰えた未練  花開く事なく枯れた  夢の形を追いかける  永久に孤独は付きまとう  人がすべてを求める限り  ひとりひとつの命の前に  嘆く間もなく迫りて来る  深い鼓動の儚さに  あてられて  さらされて  現の無音は重ねられる  問い掛けに飽きた今  終息していく愛しさ  瞬く間に流れた記憶  浮かぶ事なく薄れた  命の重さを確かめる
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加